SSブログ

ニーナ・アナニアシヴィリ

 グルジアの南オセチアを巡るグルジアとロシアとの紛争は戦争のレベルに達していました。グルジアの首都近郊にもロシア軍の空爆があったようです。しかし、グルジア政府がロシア軍の撤退条件を飲んでグルジア軍を南オセチアから撤退させ、米国に停戦の仲介を依頼したことで、とりあえずは沈静化に向かう見通しです。戦争勃発でUSD下落かという発想もありましたが、それよりも、ニーナ・アナニアシヴィリの安否が心配になりました。

 ニーナは、ボリショイバレエとアメリカンバレエシアターのプリンシパルを努めた名花で、現在はグルジア国立バレエの芸術監督です。彼女はボリショイバレエの「大輪の花」でした。特にドン・キホーテのキトリは、はまり役でした。誰もが好きになる明るく華やかな黒髪のキトリでした。ニーナのキトリの素晴らしさに迫れそうなのは、今のところ、ボリショイのオシポワぐらいです。日本にも、客演やバレエ団を率いて何度も来ていて、映像も残っています。

 本日(2008年8月10日)、グルジア政府系のサイトでオペラハウス等の状況を調べようとしたのですが、軒並みアクセスできなくなっており、よけい心配になりましたが、夕方にはグルジア軍撤退のニュースが伝えられ、一安心です。オリンピック出場選手も棄権せずに済むようです。

 今回の戦争は、結局、グルジアがロシアと米国とのパワーゲームの実戦場になったという構図のようです。これら三国を拠点としているニーナの心境を想うと、クラシックバレエファンとしては、哀しい気持ちになります。彼女の舞台を生で見たことがない私ですらそうなのですから、ロシアや米国のバレエダンサーは冷戦時代に逆戻りしたような心境だったに違いありません。一刻も早い沈静化、すなわちロシア軍の即時撤退を願います。

 米国には使命があるけど品がない。ロシアには文化があるのに品がない。共通するのは「下品」。いつの時代でも、世界を支配するのは下品な人たち。下品な世界で上品に生きるのは難しいけど、上品に生き抜く努力をしなければならないのでしょう。そういう努力を欠かさないから、歴史に名を残すクラシックバレエダンサーは誰でも美しいのでしょう。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。